ホジュン伝説の心医で、ついに東医宝鑑が完成しましたね。
長い道のりでした。
東医宝鑑の覚書をしておきたいと思います。
※アイキャッチ画像は私が適当に作ったものです(本物ではありません)
東医宝鑑(とういほうかん・トンイボガム)とは
李氏朝鮮時代、宣祖の命を受けホジュンが14年の歳月をかけて完成させた医学書。
著者:許浚(ホジュン)23編25巻。
内景(内科)、外形(外科)雑編(流行病、婦人病、小児病)、
湯液(漢方)、鍼灸からなる。
・1597年着手
・1610年完成
・1613年に刊行
2009年には、ユネスコ世界記録遺産にも登録
印象的な言葉
東医宝鑑を執筆するシーンで、
アン・グァンイク師匠の教えを書き記すところが印象的でした。
人体は宇宙に似ている。
生命の根源は宇宙のそれと同じだ。
と教えてもらった言葉です。
ホジュンが書き記した言葉
頭の円形は天をかたどり
足の方形は地をかたどる
天に四季があるように
人には四肢があり
天に五行があるように
人には五臓がある
五行・・・木・火・土・金・水の五元素
五臓・・・肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓
天には六極(りっきょく)があるように
人には六腑(ろっぷ)がある
六極・・・天地と東西南北の六方角
六腑・・・胆、胃、小腸、大腸、膀胱、三焦(リンパ管)
天に八風(はっぷう)があるなら
人には八節があり
八風・・・八つの方角から吹く風、八卦(北・北東・東・南東・南・南西・西・北西)
→詳しいサイトは>>こちら(風水・八方位と八掛の意味)
八節・・・肩、肘、膝、股の八つの関節
天に九星(きゅうせい)があるなら
人には九竅(きゅうきょう)がある
九星・・・一白、二黒、三碧、四緑、五黄、六白、七赤、八白、九紫
九竅・・・口、両目、両耳、両鼻孔、尿道口、肛門の総称
天に十二時(じゅうにとき)があるように
人には十二経脈(じゅうにけいみゃく)があり
十二時・・・1日を2時間ずつの12の時辰(じしん)に分ける時法
十二経脈・・・正経(通常の経脈)のこと
天に二十四節気があるように
人には二十四兪(にじゅうしゆ)がある
二十四節気・・・1年の太陽の黄道上の動きを24等分したもの(立春、春分、夏至等)
二十四兪・・・陰部から顎への一直線上にある24の経穴
天が365度であるように
人には365の関節がある。
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アン師匠の教えには続きがありました。
病を治すには
まずは患者の心を癒すこと
患者が持つ疑いの心や雑念を取り除き
心身を楽にすること
体を楽にして、心を天と一体化させれば
心が落ち着いて穏やかになる。
そして病が癒える。
何度聞いても神秘的
前に聞いた時も「そんなんだ、すごい」と思いましたが、
改めて見たらまたすごかったので、覚書してみました。
東洋医学は宇宙の真理とかスケールが大きいところが好きです。
生き物が生きていること自体、神秘ですからね。
それにしても、
前のホジュンでは、東医宝鑑を書き上げるまで相当苦労したような印象でしたが、リメイク版のホジュンでは意外とあっさり出来た感じでしたね。
東医宝鑑は刊行されてから、中国や日本に広く普及したそうですが、
Amazonで東医宝鑑の古書が売っているのにはビックリでした。
韓国にはホジュン博物館もあるらしいです。興味深い。
写真付きの紹介がありましたので、リンクしますね。
許浚博物館
http://www.konest.com/contents/spot_mise_detail.html?id=5963